褒め殺し、ご勘弁ください。

学校の授業。
無事、終わりました。
日本で言う小学校5年生の授業になります。
アンカレジのサンドレイク小学校という現地の子供が通う
小学校の理科の授業の講師で写真を見せながら
鮭の話をしました。
テーマは「鮭のライフサイクル」と「好きな事をやっていくこと」
2つのグループを1日がかりで相手に授業をしました。
この子供達は、日本語の教育のプログラムで
小学校のカリキュラムで日本語で勉強している子供達です。
※一部、映像に加工してあります。

「鮭のライフサイクル」はもちろん、
僕のアラスカでの写真に音楽を添えて、30分ほどのプログラムに
それぞれのシーンに解説をします。
ここで予想外だったのが、アラスカの子供達でも20人ほどの1つのグループのなかで、
3人ほどしか川で泳いでいる鮭を見たことがないという
まさかの展開がありました。
このあたりは説明しなくても良いだろうとはしょった部分を
説明したおかげで、時間の配分に苦労しました。

「好きな事をやっていくこと」
気がついたら、初めてアラスカに旅をしてから10年が経っていました。
未だ何かはっきりとしたかたちを持っていないものの、
自分がずっと好きな事をやってきたつもりはあります。
その中での何にも代えがたい瞬間や、充実感。
そして、好きな事を続けていくために必死に我慢しなければならないこと、
本気で取り組むからこその苦しいことやつらいこともある。
そんなことを、彼らに「日本語」で伝えました。
もちろん、そんな話をだらだらと日本語でするわけにもいかないので、
クーラーボックスに実際のカメラを持ち込み、鮭にどれだけ近づかなければ
行けないのか、子供達に写真を撮ってもらい、
さらに鮭の生態に近づくためにはどれくらい
冷たい水の中にじっと我慢して居なければいけないのか?
それをわかってもらうために8℃ほどの水温に調整した
ボウルの水にグループ全員に水に手を入れ、アラスカの川の冷たさを
感じてもらいました。
それぞれの感性に何が残ったのかはわかりません。
「鮭の生態」かもしれませんし、「日本から写真を撮る人が来た」、
あるいは「水が冷たかった」かもしれません。
夕方にはへとへとになり、アンカレジの友人が夕食を用意してくれました。
たまには、自分で自分を祝うことにしようと思い、珍しく酒を飲み、
慣れない酒に見事に酔っ払いました。
酔っ払いながら、PCに向かうとどこで見つけてくれたのかは
わかりませんが、Twitterで子供の日本人のおかあさんから
わざわざお礼のつぶやきがありました。
「教室で写真を撮ったのがおもしろかった」と話があったそうです。
一人で川に向かう日々がどこかで誰かにつながるという
僕にとっての収穫のある日にもなりました。
ちなみに、ギャラリーに売り込んでますが、困ってます。
アメリカ人に。
オーナーには時期柄なかなか会えないのですが、
自分の紹介をしてから、もちろん写真を
見せるんですが、従業員の彼らの反応が良いんです。
アメリカ的に。
「こんなの見たことないわ!」
「すごいね!オーナーに必ず伝えておくよ!」
などと、まともに受けてしまうと
「もしかして、俺の写真って・・・・いいんじゃなーい?」
なんて、勘違いをしそうですが、
問い合わせはゼロ。
もちろんまだ先週に売り込んだばかりで、
さらにオフシーズンに突入していくのに
わざわざ仕入れをしようと言う人は
いないというのは冷静で間違いない意見。
ならせめて、評判を聞いてみたいというのが本音のところ。
どこでも、ナイスに対応してくれるのはうれしいのですが、
底の見えないアメリカ人の本音はここでもまったく見えません。
何となく、のれんに腕押し感が・・・・・・。
でも、良い感触もあるんです。
・・・・・・・・でも、それってどっち?
明明後日、深夜帰国便出発です。

残り1週間

すっかり、秋の様子も深まり
雨が多く、黄葉の木も森の中にちらほらと目立つようになりました。
一気に秋がジャーン!とピークを迎えてあっという間に終わるアラスカ。
演奏のピーク手前の静かなビートを刻んでいるようなオーケストラのそんな
雰囲気があります。
無事、車の修理も終わり?
(充電できているのか、あんまり遠出してないからよくわかってない?)
この1週間ほど毎日、水にも入らず
しこしことPCで仕事をしておりました。
そうして気がつけば帰国まであと1週間。
時間がもうあまりありません。
普通の人は1週間の休暇で海外を回る
人も多く、「贅沢いうな!」と叱られそうですが、
これはこれでいろいろとやることがあるのです。
前に、2つプロジェクトを他にも進めています
と書きましたが、その準備にいろいろと時間をとられています。
1つめは小学校での授業の講師を頼まれました。
エマージョンという日本語教育の一環で、写真を見せながら
ぼくの体験を話すことになりました。
アラスカの鮭の生態だけでなく、日本の鮭の文化(昨年12月の村上取材)
そして自分の好きな事をやりつづけることを話して欲しいとの依頼です。
対象が小学校5年生ということで、2008年にも同じように授業をしていますが
できたら毎年の恒例にしていきたい所です。
もう1つは、写真を売ることについてです。
これはもう。ええ、努力しかないっすね。
ええ、文章が変だ?
ええ、いろいろ大変なんですよ。調べることが多すぎて。
調べては話を聞いて、また調べて英語で書いて。
正規の英語教育は高校の昼寝の時間になって以来、まともに
勉強してないのでさすがに、厳しいです。
ちゃんとコツコツ勉強して英語を身につけている人がうらやましい。
ちなみに英語版の僕のサイトが形になりました。
Kentaro YASUI photography “Wild Harmony”
http://wildharmony.smugmug.com/

良かったら、見てみてください。
形にしただけなので、まだ整理は必要ですが
しかし、先に英語版の方が形になってしまうとは・・・。
とはいえ、やっといろいろな条件が整いました。
今日からギャラリーに幾つか売り込みに行ってきます。
へへへ、面とむかっては強いぜ、おれは。

シュートは一本でも多く、撃つ。

結局、調べてみると車の発電量が足りず、
オルタネーターが駄目でした。
部品を聞いてみると200ドルちょっとで、
次の日には届くかもと言うことでした。
交換には数日、要するでしょう。
まあ、出費は痛いですが、
これは仕方ない。
おまけに、ストーブもさすがに壊れてしまった場所が
心臓部だったようで、そこもどうにもならない。
新品を買わなければならない事になりました。
まあ、今日。
おそらくパーツが届くとは思いますが、
天気予報によると晴れ。
久しぶりの晴れで、このところ
秋の長雨でなかなか晴れ間が出ず、
つまり、今日は絶好の「チャンス」となります。
数日前にも書きましたが、産卵はおそらく今日あたりが美味しいのではないかと
踏んでいます。
そこで、何とか友達に頼み、車を借りて日帰りで出撃できることになりました。
借りた車も40万キロ走っている、驚異のシボレー、サバーバン。
わかりやすく言うと、巨大なオフロード車です。
燃費という概念がなく、恐ろしく頑丈な車で、
ガソリンを撒いて走るようなイメージでお願いします。
チャンスをしっかりとかぎ分け、1本でも多くシュートを撃つ。
貪欲に「良い写真」を狙っていきたいと思います。
この貪欲に自分のやりたいことができる日々。
数日前の撮影で、産卵の様子は撮影できました。
でもね。本音を言うと、どうしても今回のこの旅でこの先が見たい。
何となく、自分の今の壁を感じていて、そこを突き抜けられるかどうか?
良い写真を撮った後、さらにもう一歩踏み込んで結果を残したい。
人から言わせるとそれを見せた時、
「いいんじゃないの?良い写真じゃない」と言われますが、
まだ、足りない。
ほんのわずかだけど、非常に大きな不満があるわけです。

結果が必ず伴うわけではありませんが、
きっと、俺ならできるはず。
そう、強く思い行ってきます
やー、しかしいろいろタイミング考えると、
今日が最後の撮影にならなきゃいいけど。

壊れ物注意


しかし、よくこわれる今年の撮影。
こんどはキャンプのバーナーが壊れました
よく持ったと言ってもいいでしょう。
熱で本体との接合部分がボロボロと崩れました
このストーブは部品があるので交換出来ると良いのですが
天気も崩れる予報なので、
町で用事を済ませようと今度は
フリック号の調子が悪い

どうも昨日の夜あたりから、電気系統が弱いと思ったら、どうにか友達の家に戻ってこれたものの、途中、エンジンがノッキングしながら走り、回転計の針が跳ね回ってます。
どうも、オルタネーターが怪しい。
バッテリーのターミナルが汚れてたので、コネクターも含めて、清掃。
一応、図ってみると電流はきているので、
バッテリー再チャージでどうなるか?
最悪オルタネーター交換かあ。
町に部品があると良いのだけれど、
困ったもんだ。
結構時間食いそうです
物が壊れるのにも馴れました。
撮影がスムーズにいかないのも馴れました
さーてどうしたもんかな?と知恵を絞るのみです。
騒いでみても、落ち込んでみてもしょうがない。
だって、自分でどうにかするしかないんですもの

子細にこだわらず、走り続けろ

ドライスーツの漏れをどうにか修理して、
今日から撮影再開です。
どうにか、あてにしていた最後のポイントで
ベニザケの撮影を再開できました。
メインで期待していた別のポイントは今年は
1,2匹見かけただけで、外れてしまいました。
今日は、久しぶりの晴れ。
川であった人が「インディアンサマー」と呼ぶような
肌寒く、雲のない秋晴れの一日でした。
ベニザケは、ちょうど川にたどり着いたばかりのような
雰囲気で、まだそわそわと落ち着かなく
警戒心たっぷりです。
これが、数日経つと産卵に向けて、
気が立ってきます。その代わりに他への警戒心がさがります。
やっとその状況で撮影に入れます。
天気と鮭の状況が上手く重なってくれるといいのですが、
こればかりは、今後の成り行きに身を任すしかなさそうです。

今回は、撮影だけでなく他にも2つのプロジェクトを同時に抱えていて、
残り時間を考えると、いろいろと気になってきました。
3日がかりで直したドライスーツはやはり両肘の部分が
じんわりと水がしみこんできます。
だいたいの見当はついていますが、
今更、乾燥させて再修理の時間ももったいないので、
このまま行くことにします。
8時間潜って、濡れる程度なら我慢すればどうにかなるでしょう。
それでは、フィールドにもどります。
今週が山場。
狙うは一つ。
特大ホームラン。
さてさて、できっこないを、
やらなくちゃ!!

天秤

なかなかうまく進まない今年の撮影。
また何か書くというのは、トラブルです。
昔見たドラマで、「ねえさん、事件です」って始まるホテルマンの
ドラマがあったけれど、なかなか事件続きな撮影。
今度のトラブルはまたしても「ドライスーツ」です。
ええ、前回直したはずですよね
左腕が漏れてきました。どうやら今回は背中のジッパーのあたりが怪しい。
調べてみると、接着剤の劣化でぼろぼろでした。
ジッパーと本体の接合部分がかなり怪しくなっていました。
と、言うよりほぼ、外れかけている部分もあり、
壊れるまで秒読みの段階。
調べているうちに前回交換修理したはずの首の部分も
すでに幾つか剥がれはじめているので、
クレームを兼ねて前の修理した店に戻り、自分で接着剤を買って
直すことにしました。
どうして、自分で修理しようと思ったかというと、
実はこのお店。
「結構、ぼったくる」んです。
前回、修理したときもかなりぼられました。
さすがに一緒にいった友達も、
「あれで、この金額はないな、いいの?」と聞かれましたが、
撮影の時間を優先してあきらめて払いました。
難しいからできるかわからないから、預かって電話するよと言われてから
連絡があったのは1時間後です。難しいんじゃないんかーい!
そして、見事に雑な仕事です。
今日は午前中に雨でスタックしていて、午後から撮影を始め、
夕方から1時間かけてアンカレジに戻りました。
着いたのは午後6時半。
店の前に駐車し、電気が薄暗いが中に人が居るので
手を振ると、何かドアの方を指さす。
ドアに手をかけると、ロックされていて
店内を見るとまた強い感じで指さします。
張り紙に気がつくと、
「23日からお店の開店時間に変更があります。
6時までの営業となります。ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。」
と書いてあります。
・・・・・・・
今日からじゃん。
いやいや、いいじゃん
居るんだし。
と、思ってドアをガチャガチャ。
またしても、紙を指さして・・・ノー
・・・・・・・・・・・・・・・・。
いい加減な仕事をして、ぼったくられた上に
わざわざ戻ってきて、今日から開店時間かえました
居るけどごめんなさい、ご不便おかけしますね、
接着剤一個のためにまた明日来てちょうだいね。
修理できなかった言い訳はそのときにしますよ。
ってことですか?
さすがにブチ切れそうになり、ドアを蹴っ飛ばそうかと思いましたが、
小さな女の子が目に入り、踏みとどまりました。
アメリカンクオリティー・・・・。
もう、ここには2度とこない。
仕方がないので、接着剤だけ探しに別の心当たりの店へ。
そこで事情を説明すると、じゃあそのドライスーツ持ってきてよと。
見せると、「うわー、こりゃひどいね。これで金とるの?しかも、その金額?」
と見事に前の店で受け取ったときに思ったことをはっきり言ってくれました。
しかし、そこからは
「これは直し方にコツがあるんだよ、まずは・・・・・」
という感じに懇切丁寧に教えてくれました。
接着剤を混ぜるのに使うといい、と言って小皿まで店の裏から持ってきてくれました。
「もし、上手くいかなかったら、持ってきたら直してあげるよ、同じ素材のゴムボート直してるから」
とまで言ってくれました。
アメリカって不思議な国です。
そして、アラスカも不思議な場所です。
嫌な人もいっぱいいるし、いい人もいっぱいいる。
どっちかに会うと、逆の人がやってくる。
不思議な順番です。
どっちの天秤にも傾かない。

充実という果実

戻ってきました。
心配してもらったみなさん、ご心配をおかけしました。
今回は、特に事故もなく充実した時間を過ごせました。
ちなみに、動画も撮影してきました。
これは迎えのボートで滞在先に向かうところで、途中、山間の建物が
遠くに見えますが、ここに滞在してました。

この動画の途中のシーカヤッカーを通り過ぎる場所あたりが
ちょうど事故ったあたりで、ちなみに干潮の時は下の写真のようになります。
動画の時は満潮に合わせて入り江に進入しています。

干満の潮を利用して入り江で川に進入する鮭の様子と、
川で産卵するカラフトマスの様子が撮影できました。
前回の失敗もありますが、良い成果もあるのではと思ってます。


さて、数日前に戻り、いろいろと試行錯誤していますが、・・・・・・・
さ ー か ー な ー が ー い ー な ー い ー んです ー♪
いえ、正確に言うといるには居るんです。いっぱい。
今まで調べ尽くしてきたところにいないんです。
この3年で小さな川で埋まってしまったところもあれば、
今回、メインに期待していた場所が全くいなかったりと、
遅れているのか、それとも遡上する数に数年周期の波のある
底の時期なのか、何とも判断がつかないんです。
そして、鮭は川に入ってきて、もしくは湖にたどり着いて
産卵するのですが、ザックリと言うとほぼ3,4日で産卵のピークを終えます。
もちろん全ての魚が終えるわけではないのですが、最初にそこにたどり着いた大きなグループは
そのピークにほとんど産卵を終えてしまい、後発のたどり着いた連中が
その隙間に産卵するのが今までの観察でだいたいわかってきました。
つまり、美味しい時間は限られている。
Kenai半島中にとてつもない数の鮭が遡上しています。
しかし、それでも鮭の写真になるような場所というのは
限られていて、その場所が数十キロ単位で離れていて、
すべてにおいて、「賭ける」しかないのです。
今までの情報にこだわるのか・・・・
人から聞いた話を信じるのか・・・・
自分の直感を信じるのか・・・・・
そして、今秋が近づいている中、
おそらくこの2週間ほどがだいたいの産卵のピークになるでしょう。
昨日は片道3時間かけて、アンカレッジに戻り、
友人の写真家達の好意で、カメラとレンズを借りてきました。
以前行ったクマの多い場所に友達が先日行ってみたところ、
大量の鮭が上がっていたので、
「今がチャンスだから、日帰りでも行ってみよう。俺が銃で撮ってる間護衛してやるから!」
と二人で盛り上がり準備しましたが、
今朝起きると、土砂降りの雨。
湖の強風でボートが危険なので、結局行けず。
明日、レンズとカメラを返しに行ってきます。
さらに、今日。
期待していたZwissのレンズの修理サービスから「修理不能」の連絡がありました。
これで、今回の高潮騒動は一件落着です。
はー、言葉も出ないとはこのこと。
もし、充実という果実が存在するのなら、
たわわに実ってますよ、ほら、たくさん。
しかし、この果実。
甘いとは限らない。
どうやら、今年の収穫は
酸っぱくて、渋くて苦い果実になりそうです。
でもね。渋柿が時を経ておいしい干し柿になるように・・・・・・・・・・・
なんて、格好つけられるか!バーロー!
ざっけんなよ!
すっげー、悔しい。くそー
ぜってーいいしゃしんとってやるかならなあ(涙目)
た、たすけて、サンボマスター!!!

昨日の自分を超えていけ


今日より、再始動します。
まずは、日本の修理センターよりNikonのレンズ・カメラが「修理不能」という
連絡がありました。
いろいろなご心配をおかけしましたが、とりあえず結果が見えた以上、
それに心揺り動かされていても仕方がない。
そういった心境でいます。
もちろん、奥歯のさらに奥に、ぐるぐると言葉に言い現しがたい思いが渦巻いていますが、
そこは、表に出さないようにしまったままさらなる表現を追求しようと思います。
昨日、10.5mmフィッシュアイが到着しました。
偶然、難を逃れたD300とこれで、水中の撮影を続けることができそうです。
残念ながら、カメラだけでなく撮影データも回収不能になったことが、
確認できたので、今はまさにゼロです。
しかし、それでも応援し続けてくれるたくさんの友達の声援を
支えに、引きつった笑顔で前に進みたいと思います。
今回のレンズの手配にもいつも、いろいろな世話を焼いてくれている
友達の援助がなければ、とても実現できませんでした。
そして、今日
例の事故った場所にまた戻って5日間ほど撮影してきます。
やられたままでは済まさない。
もちろん、同じ写真が撮れることはありません。
しかし、僕ら表現者は常に新しい写真に挑戦しつづける。
プロである以上、撮り直しはおかしいのかもしれませんが、
今まで以上のものを作り出す。
悔しかったら、たくさん飯を食って、よく眠り、そして良く笑え。
笑って、昨日の自分をこえていけ。
ちょっとだけ、自分に言い聞かすつもりでほざいてみました。
たくさんの人が手をさしのべてくれました。
その期待に応えてみますよ!
みなさん、ありがとう!!
行ってきます!!

3年ぶりのオイル交換でオイルフィルターもきれいに取り替えました。

どうもありがとうございます

えー、みなさん。
どうも、暖かい励ましのお言葉ありがとうございます。
とてもうれしいし、支えになります。
えーと、あの、ですね。
えー、割と元気です。
ご心配をおかけしました。
まあ、もちろん
アウトになった日ははっきり言って、
ほとんど眠れなかったです。
翌日、戻ってきてからちょっと、かみさん相手に
いじけてみたりしましたが、
いろんな人に会って話しているうちになんだか
同じ事を話していると、いつまでもいじけているのが馬鹿らしくなってきました。
普通は何度も話していると、余計に滅入るのかもしれませんが。
僕の場合は、逆のようです。
今日はきっちり、塩漬けになったレンズ達を丁寧に梱包し、
空輸でそれぞれ修理に日本に送り返しました。
まずは電話でコンディションを伝え、修理に応じてもらえる
ことになり、メールで到着後連絡をもらうまで、もうできることは
すべてやりました。
電話越しに話す日本語と、確かな技術者の気配のする応対には
懐かしい日本らしさを感じるとともに、僕の手を離れた実感をまるで
郵便局の刻印のようにしっかりと押された感じがありました。
そうなると、あとはどうやってこれからやり直していくか。
手元には再起のチャンスをうかがうためには、いくつも解決しなければならない課題が
あります。
まずは、装備の洗浄と乾燥。
これは結構手間がかかる物で、一つ一つ
ずぶ濡れの機材を引っ張り出して洗い出します。
ザックに手を突っ込むだけで、蚊に刺された痕が、ひりひりと傷みます。
ホースで洗い流し、どうにも使えない物はゴミ箱へ。
ザック、ストーブ、シュラフカバー、衣類、これはオーケー。
防水のはずの真っ赤なさびさび。
それから、食料も米が3週間分丸ごと、塩漬けでアウトです。
かみさんには
「そのまま炊けば、ホーマー漁師風たきこみごはん?」
とからかわれましたが、これもゴミ箱へ。
洗えたかどうかは舌でなめてしょっぱくなければ、
オーケー。
ザックのテイスティング。
次にドライスーツ修理。
用事のある友達に一緒に同乗させてもらい、
今朝、Anchorageにもどり、修理にだしました。
工賃をぼられた感がありますが、
店を探して回る余裕もなく、煩わしいことでせっかく戻った
やる気を失っては元も子もない。
朝6:30に出発し、友達の用事も片付けながら、
弾丸ツアー。
夕方、やっと帰ってきました。仕上がりは後日の予定です。
明日以降は事務作業を含めて、いろいろ水面下で進めていることを
羽ばたかせるために、準備が必要になります。
安易な精神論で片付けられない現実的な損失があり、
本来は自分なりに何かを見つけるべきなのかも知れませんが、
見渡してみてもめぼしい教訓のような物が見当たりません。
ただ、物を失ったと。
そう片付けようかなと思っています。
直るかどうかは後は、運頼み。

ずっと、鮭を追いかけて彼らに寄り添っていると、
様々な姿になってもそれでも生命をぎりぎりまで使い続けながら
生きる彼らの様子に、寒さを忘れるような感動と
生きる事への執念にも似た強い情熱をひりひりと感じます。
時として人生はつらく、生きることには意味はないのかもしれない、
それでも、生きること自体は輝ける奇跡だ。
そういう情熱を持って、これからも写真に収めていきたい。

今日は、とても良い天気。
そして、空気がはっきりと変わりました。
アラスカにいると短い夏の間、はっきりと線を引くように
ある日、風が教えてくれます。
秋が来たと。

すべて失いました。

さて、ただいま戻りました。
9日間の撮影でしたが、やはり最初の水中撮影ということで、
3年間使ってなかった、機材はやはりいろいろトラブルを
起こしてくれました。
撮影自体は順調に進んでいたのですが、
ドライスーツのゴムの部分が、経年劣化から裂けてしまい、
ちょうど、ほかの場所の様子も気になっていたことから、
一度、ベースにしている友達のキャンプグラウンドに戻ってきました。
で、前の日記を見ているとバタバタと出かけていったことがわかるのみで、
どこに行って何をしたのかもよくわからない、困った日記になっていますが。
えーと、今回は前回湖に誘ってくれた友達の紹介で、前に行った湖のちょっと南に
ある、孵化場に滞在して鮭の撮影をしてきました。
入り江に遡上してくるカラフトマスを目当てです。
森の様子と、サケを順調に撮影しちょうど用意してきた食料が減ってきたのと
前述のドライスーツのメンテナンスのために、
船で戻ってくることにしました。
5人の現地クルーとも仲良くなり、
後ろ髪は引かれる思いはありましたが、水温8度という厳しい冷たさに
別れを告げられるうれしさもあり、荷物をまとめ、
船で送ってもらうためにスタッフが来るのを
まっていました。
今回の撮影は、偶然大潮に重なっていて、
そのおかげで干潮時に非常に興味深いサケの生態を
見ることができ、その環境の様子を写真に納めることができました。
ちょうど、海辺の入り江になっていた場所に滞在していたので、
海から川へと入るサケの様子と、潮の満ち引きに
移り変わる森と入り江の景色は新鮮で飽きることがなく、
いいインスピレーションをもらいながらコンディションを
維持しつつ撮影しました。
入り江の潮の満ち引きによっては、
ボートまで施設から森を抜けて片道20分ほど
歩かなければならない環境で、
今回の撤収には一人で80キロ近い全部で4個の
荷物をボートのある入り江まで運びました。
荷物を運んでから20分ほどまっても
船頭が来ない・・・・。
しょうがないので、迎えにもどり
そこで、今回の船頭の友達がくたびれて
昼寝をしているのに遭遇。
普段なら、冗談で起こすところですが、
激務で疲労している所を察し、
そのままにしておきました。
すると、「もしかしたら、今日いけないかもー。」
なんて、言い出しました。
おいおい。
そりゃないぜ、またあれを一人ではこぶのかい?
と、思いせめて
「じゃあ、荷物は運んだから後で、ボートを出して回収してくれる?」
と聞き、
「OK」
ということになりました。
やれやれ、一日延びちゃったなと思い、
建物の外でたむろしていたスタッフと
話し込んでいると、
40分ほどしてから、
その友達がゆっくりと起きだして出てくると、
「そういえば、そろそろ満潮だけど、荷物は大丈夫なのか?」
「一応、考えて森からの階段の下においてきたけど・・・・・」
「はしごの下なら大丈夫だと思うけど、もうとってきた方が良いな」
ということになり、ほかのスタッフと取りに行くことになりました。
しかし、みんな忘れていたのです。(僕も含めて)
大潮を。
言葉もない
とは、このこと。
着いたときには時すでに遅く、
4個の荷物はすべて海面を漂い、
真っ先にカメラバックを開けましたが、手遅れ。
完全に半分の高さまですべての機材が水につかり、
すべてを失いました。
それには、今回の1週間に撮影できたデータも全て含まれています。
機材が回復可能かどうかは今日、これから日本に全ての機材を
送って見ないことにはわからない、再起不能の状態に陥りました。
まあ、元気がないのは当たり前ですが、結構落ち込みました。
その事故から2日後の今日、この日記を書いています。
さあ、撮影機材のない写真家となってしまいましたが、
ここからこの旅はどんな展開をするのか?
ぐずぐずと、「撤退」の文字も浮かびましたが、
奥様から、
「やれることをやらなければならない。なぜならあなたはまだ、アラスカにいるのだから」
と尻をたたかれました。
こてんぱんにやられたけれど、でも負けない。
負けを認め下を向く前に、できることを探し、
必死に食い下がる。
これこそまさに俺のしつこさが生かされる状況ではないですか。
ねえ、みなさん。
へこんでいる暇はない。
ちなみに、このことをアラスカの友達に話すと
「過去なんて振り返る必要はないの、前だけをみて進んでいくの、いい?」
なんて一蹴されました。
「でも、道具を壊してばっかりいるような気がして・・・・」と弱気に言うと、
「あら、うちの旦那なんてしょっちゅうよ。」
・・・・・・・・・確かに。
もちろん大変なことになったわね。と一言察してくれましたが、
そのままの自分でいられるアラスカの友達にも感謝して、
今日もそのまま書いてみました。

(写真は友達の家に飾ってある、僕の作品)