人と人のあいだに

プリントのサンプルを持ち込んで、
写真展の展示サンプルを作成する事にしました。
パネルに貼ったり
額装したりと様々な展示方法がありますが、
新しい展示方法を知ったので早速自分の作品で試して見る事にしました。

色々具体的にカタチにしてみないとわからない事が沢山あります。
まだ決まった話は一つもないのですが、動きながら悩むのがポリシーなので、制作に持ち込んで色々聞きながら試しています。

写真って、撮っていて面白い分野だなと思うことも多くて、写真自体の話よりは今日はチョット違う角度で。
自分は撮る人なのですが、自分の中にある考えをイメージにまとめて、そしてそれを人に届くカタチにするまでには、沢山の機械や道具そして人に関わって、最後に形なります。
モチロン、最初はカメラ。
そして、今回のようにプリントして、
展示できるカタチにするためには、
印画紙やプリンターが必要だし、当然それを最善の状態に保っている人がいて、その人たちの最善の努力で自分のイメージの最良のカタチで出てくる。
そして、その次は別の人たちが出てきて今回のようにパネル加工してくれる。
そこにはそれぞれの最善の努力があってはじめてカタチにすることが出来る。
撮る部分は、どんなになっても自分の領域だしどこまで行っても独りだと思います。
ただ、それをカタチにするには、そんなそれぞれのプロ達の力が必要で、それぞれの良い物を作りたいという、善意の部分の集合体で出来てるように思います。
こだわりもあるので細かなニュアンスだったり、コミュニケーションをとるのは大変。
それでも、信頼できるプロ達と仕事できるのは
静かな興奮がある刺激的な時間です。
こういった人達と出会えるかは大きな部分でいくと、運になるのでしょう。
ハズレたと思うことも今まで何度もありますが、本当に良い仕事してもらえるところって実は少ないんですよね。

ちなみに、仕上がりましたよ。
出来??
決まってるじゃないですか
さ、コレ持って次の人に会いに行きます!

掲載のおしらせ


書名:世界のネイチャー・フォトグラフィー2013
   Nature Photo Annual 2013
価格:1800円+消費税
発行所:(有)シータス
発売所:丸善出版
今度、こちらの雑誌にぼくの作品が1枚掲載されることになりました。
少し前に発売していますが、大きな書店での取り扱いがあるようですが、
良かったら見てください。
世界中の自然写真家の作品のオムニバスのような写真集になります。
なかなか見る場所ないよー、と声も頂きますので。
ベニザケの写真になります。
Amazonへのリンク
それでは、また。

プロセス中


先日のプリントの加工が仕上がって来ました。
これから北海道に発送です。
この状態ではマット加工といって台紙に枠を切ってはめた状態です。
このマットの色、幅によって作品の印象がいくらでも変わります。
今回は白ですが、白にもたくさんあって……
と、長くなりそうなのでこの位に。
今回は木工職人の友人のためにこの状態での引き渡しですが、
通常の場合は、もちろんプロセス中になるところの状態です。
ここからは友人の腕の見せ所です。
手元には戻ってくる予定はないので、画像が来たらまた
ご紹介します。

ゼロに据える


久しぶりに写真のことをいろいろと考えています。
ずっと、前に知床にいた頃に考えていたことをこれからシリーズとして
撮ってみたいと最近思うようになってきました。
頭のはじっこにずーっとあったことなんだけれど、
なかなか熟さないまま10年くらい経ってしまいました。
何かきっかけがあったわけではないけれど、
日常的に撮れる写真ってなにかあるかな?と考え始めた事から
思い出して、引っ張り出してみました。
まだ、撮り始めてもいないことなので、再びお蔵入りするかもしれないけど、
リハビリがてらにちょうどいいと考えてます。
今暮らしている日常にある自然の中から撮れる物をさがしてみると、
アラスカのようなスケールの大きな関わりを見つめることはできないけれど、
少ない自然ということであれば、個の生命を見つめざるを得ないわけで、
そうなってくるとアラスカのような大きな生命の仕組みにも共通してくるような
個の生命との共通点を見つけられるよう取り組んでみるのが、しばらくの
課題になりそうです。
しかし、そうなってくるとデジタルに頼れるかな?という疑問符も浮かんできたり。
本来、デジタルという機材はゼロとイチの集合体であり、
ぶれるはずの無い機械であるはずなのに、フォーマットが進化しながら変わり続け、
今もその途上である以上、こういった個人的で長い時間をかけて撮っていこうと
プロジェクトには一番不向きなことにも気がついた。
写真という表現は機械を媒介として、存在させる。
その媒介が変わり続けてしまっては、いったい何のための個性になってしまうのだろう。
便利だけれど、こんな面もある。
そんな感じでしょうか?

復活の準備

今年も残すところ、あと一ヶ月
全くと言ってもいいくらい写真の撮らない一年でしたが、今年は最後に新潟に遡上してくるシロザケの取材に出かける事にしました
二年間長かったけど、いよいよ写真家
として再始動します!
滑り込みで今年間にあったけれど、
何せ時間が足りない
まだまだ、繁忙期なため今週末までは
ビジー
仕事を休みにできるか
まだ日程も決定できないけれど、
動きだしたらどうにか出来るのが人生
まずは、撮影機材のメンテナンスから

二年間放ったらかしだった
ハウジングをメンテナンスに
傷だらけだったドームポートを
研磨にだして、磨き上げ
シャッターレバーを交換
水中で体にまく、ウェイトを購入
さてさて

もうやめて寝ます


甘く見てました。
半年ぶりのオール機材クリーニングを実施しましたが、
もう寝ます。
レンズの清掃し始めて
気がついたら、4時間半。
終わる気配がない。
甘く見てた。
作業が終わらないなーと思いつつ、
更にオーバーホールが必要なのも見つかったりして
何とも言えない夜です。
特に父の遺品のレンズは保管状態が悪く、
どれもオーバーホールが必要。
リストアップも同時にしようと始めたけれど、
金額も幾らになるのか・・・
特にPlaner 85mm f1.4は捨てられない・・・名レンズ。
いろいろ考えると
気持ちよく寝られそうにないなあ。

マケマケの唄

いやー。
良いところまでいったんだけどな〜。
見事に落ちました。
実は、BBC主催の Wildlife Photographer of the year 2009
に応募していた、僕の作品がFinalまで進んでいたので、
最後のジャッジの結果が通知されるのをこのところ、ずっと
首を長くして待っていたのですが、残念ながら今日通知ありました。
いやー、残念。
Final止まりでした。
海の向こうでは、Susan Boyleが快進撃を続けて
いるのを聞く度に、勝手にお?、次は俺か?
なんて一人で盛り上がってしまいました。
Finalまで残ったメールをもらって、
それからほぼ1ヶ月。良い夢見させてもらいましたよ!!!
まー、43000のエントリのファイナルなので、残っただけでも
良いんじゃないなんて、とても思えません。
くやぴー、超くやしい。
ここでホームラン打って、一発逆転してやる。
とか、思っていたけど。
なかなか、逆境続きの厳しい俺の状況に
神様はもうちょっと先に、ご褒美をお預けしました。
そういうことなんでしょう。
トホホ。
でも、ここで腐っても、辞めてしまっても、
この先に撮れるであろう、素晴らしい写真達への道は閉ざされてしまうわけで。
下を向かず、上も向けず、只、今の目の前の一歩を明日も
踏もうと思います。
昔、写真に真剣に取り組んでみたいと思い始めた頃に
「すごいなあ、世界にはこんな写真を撮れる人たちがいるんだ・・・」と、
友達に見せてもらったこのコンテストの図録に感動したものです。
10月頃に発表があるようなので、入賞した他の作品を楽しみにしようと思っています。
ちなみに、10月授賞式の後、ヨーロッパのここいこう、とかいろいろ考えていたのは
内緒ね。

入院

僕のメインレンズの一つ、
Nikkor 80-200mm f2.8が入院する事になりました。

前に三脚に取り付けたまま、転倒させてしまいその後
だましだまし、使ってきたけれど今回の撮影で
どうもAF駆動が怪しくなってきたので
前回水没したFM3aを見事復活してくれた
本間カメラサービスにお願いする事にしました。
本間カメラサービス
http://www.geocities.jp/honma_camera_service/index.html
ドジが多い分、こういったきちんと技術をもっている
お店を知っていると、助かってます。

はり倒されてきました

いえ、実際にははり倒されてないです。
もちろん。
でも良い経験でした。
決してメジャーな写真家ではないけれど
一流のアーティストの話を目の前で聞けました。
6人という少人数のグループも話を聞くには
落ち着いて聞ける良い人数でした。
ファインアートのオリジナルプリントを生でみながら、
決して表層ではない、現実の世界にある物を
どうやってアートに昇華させるのか
そんな肉声を聞く事が出来ました。
オリジナルプリントは今まで自分が見てきたプリントの中で
最高に美しい物でした。
あまりの美しさに圧倒されてしまいました。
「これが人の手が創り出した物か」
独学で写真を学んだ氏における手仕事ですが
人の勤勉さと努力によってここまで極められるのかと
写真の美しさというものさしに置いては
最高点を知った気がします。
表現という事にアーティストのエッセンスを
加える必要は全くない。
と言い切った氏の真意はとても刺激的でした。
今日はゆったり余韻に浸り、咀嚼しながら
思考に埋もれて過ごします

往復パンチ

時差ボケも夜9時に寝て朝6時に起きてしまう健康的な習慣として
ようやく落ち着いてきました。
社会復帰の前に明日、ある写真家のワークショップに参加してきます。
アラスカにいる間から、ずっと楽しみにしていたのですが
その写真家はアートの分野の写真家で、
当日は自宅を開放して
自分のオリジナルプリントを見せながら、写真に対する思いを
語ってくれるという
ぼくにとっては願ってもないイベントです。
モノクロームのオリジナルプリントがいったいどんな感動を
呼び起こすのか?
そして、また作家としてのキャリアの中で何を考え、
どんな思いを込めて作り上げてきたのか?
今の自分が知りたい事、興味ある新しい事に
新たな起爆剤となってくれるでしょう
今回のアラスカでの撮影を経て、自分のテーマが明確になりました
そこにはまだまだ足りない物がいっぱいある事も
同時に判りました。そしてこれから撮っていきたい
いろいろな自分のアイデアを実現するためには
さまざまなチャレンジが必要で、そのチャレンジを努力によって
発酵させて深みを自分の世界に持たせたい。
今のぼくの写真には「コク」がないまるでブドウジュースのよう。
ワインまではとても望んでいないけれど、
もっと写真自体を勉強していく必要性を痛感しています。
強烈なインパクトを期待しています。
往復ビンタではなく往復パンチとして
雜賀雄二
http://www.ne.jp/asahi/saiga/yuji/