インスパイア!!

inspire
1 〈人を〉奮い立たせる;〈人を〉刺激して(…する)気にさせる((to do));〈人を〉促して(…を)する気にさせる((to …))
“Yahoo!辞書より”


やはりクマですか?
木彫りといえば。
やはり木彫りですか?
クマといえば。
これはもはやお土産業界の常識なのでしょうか?
インターナショナルな”月刊お土産”とかいう名前の雑誌があるのでしょうか?
そこでクマの木彫りが紹介されたとか?
まさかアラスカに来てまで木彫りのクマを見るとは思わなかった。
このまま行くと将棋の王将のコマが登場するのも時間の問題か!?
ちなみに機材にカモフラのテープを巻いてみました。


追加で頼んでおいたフィルムが40本届きました。
フィルムが足りない事はいい事です。
・・・・たぶんね。
さーて、残り1ヶ月アラスカの短い秋に全力で挑みます!

Denali National Park

デナリ国立公園に撮影に行って来ました。
この国立公園は近年人気が鰻登りに上昇し、
デナリ山(マッキンレー)の見える
キャンプグラウンド・ワンダーレイクは特に人気が高く、
事前の予約が必ず必要なほどとても人気があります。
今回は誘ってくれた友人のおかけで4泊5日の日程で
このキャンプグラウンドに滞在しました。
今回の撮影目的はムースとマッキンレーの風景の二つ。
ただし、どちらも天候次第なので特に天気の変わりやすい
このエリアでは運がかなりの割合を握っている事になります。
どの場所でもきっちり時間をかけて撮っていくのが
僕のスタイルなので、今回の予定は5日間ほどしか
滞在できない上、運にかなり左右される場所なので、
まあ、のんびりとアラスカを楽しもうと。
いつもはどちらかというと、ストイックな事が多いのですが、
たまには写真を第一優先事項から、第二優先事項に
移して楽しむ事にしました。

とりあえず、今回のデナリ国立公園は公園の中心部に一般車の乗り入れが
規制されているので、以前借りていた車から、
コストの安い車に切り替え、公園の入り口に駐車しておく事に
しました。上の写真の車になりました。
「金」
そう、これはシャンパンゴールドなんていう
おしゃれな名前ではなく、金・もしくはゴールドです。
しかし、見た目とは裏腹にエンジンの調子はよく
ぐいぐいとはしります。
そこで、この車に日本人として、
「金閣寺 Kinkakuji」
とよぶことにしました。
「リッチな日本人が選ぶ車はゴールドじゃないとね」
「レンタカーを塗り直してやったよ」
とか友人にはジョークのネタになりました。
※今回の撮影にはデジカメを持っていかなかったので、
公園内での写真はありません。
ただし、傑作が撮れました!!


ビジターセンターの展示物ですが・・・・・・・
撮影は5日間天気に恵まれ、良い写真も幾つか撮れました。
毎日カメラを背負ってツンドラの丘を越え、池を回って
デナリを見上げながら動物を探しました。
夜空にオーロラを見上げ、月明かりに浮かび上がる
デナリ山を眺めました。
オーロラの写真は現れた時間が短かったので、
撮れませんでしたが・・・・
写真がないのが申し訳ないのですが、
今回のデナリ撮影行は大成功でした。
では最後に公園入口の黄葉写真を。
アラスカは秋です。

飛べない豚は・・・

「飛んできます!」
と言ったまま、何も更新しないとまるで、行方不明になったかのようですが、
無事帰ってきました。
予定していた日は悪天候のため、次の日に順延になりました。

翌日は朝は曇りだったものの、無事昼頃から太陽が雲間からのぞくと、
アラスカの強烈な光が差し込んだ。

アンカレジのメリルフィールド空港(民間専門の空港)で
4人乗りセスナをレンタルし、いざ出発。
ちなみに出発前に使うレンズとカメラ、そして
フィルムを持って、ウェイトを計ってみると、
なんと210ポンドもありました。これはまあ、
僕が重いのもありますが、普段腰痛に悩まされている理由も、
実は持っているカメラ機材がかなり重いのも、
原因の一つなんだなと実感しました。
(飛行機から撮るので、三脚と持参しないレンズの分は含んでいないので、
普段はもっと重い。)
アラスカはタクシー感覚で飛行機を使います。
でも、それに対して日本人の僕の感覚では飛行機はただ、移動手段であって
どちらかというとあまり人がそれに関わっている感覚がない。
「飛行機はたまに落ちるけど、とにかく乗れば無事目的地まで
運んでくれる。」
と、理解していたけど今回小型のセスナに乗った事で、
人が飛行機を操縦して、空を飛ぶという事が
非常によくわかった。

機長自ら、滑走路にアプローチです。

アンカレジを離れ、南に向かって出発です。
今回の目的はいつも撮影しているキーナイの川に集まるサーモンを
空から撮影する事。
いざセスナに乗ってみると、いかにもプカプカと浮いているようで頼りない。
4人乗りの狭い空間がまるで空から糸でつられているかのように
ちょっとした風や微妙な操作に敏感に反応する。
大きなジャンボに乗っていると判らない事だけれど、
やはり飛行機は空を飛んでいるのだ。
やがて、飛んでいる感覚になれてくると
アラスカの広大な景色がパノラマとなって眼前に広がっている。


空からの視点。
今までの自分では見る事が出来なかった世界。
圧倒的に自分の目の前に存在するアラスカの景色。
期待通りの存在感で自分を圧倒するのだが、
そこから感じ取れる満足感とは別にもう一つの
疑問のような感覚が自分の中に浮かんできた。
「自分が普段追いかけている生物の世界をミクロとすると
今自分の目の前にマクロの世界が広がっていて、
このマクロの世界には無数のミクロの命が存在している」
この感覚を表現しようと飛行機からの空撮という手段を選んだものの、
自分の中に今まで蓄積してきた「生物を観察してきた時間」から感じ取った
感覚と今眼前に広がる景色から感じる感覚がリンクしない。
その疑問を抱えたまま飛行機はいつものフィールドの上空に到着。
上空を旋回しながら、撮影を開始した。


思い描いていた通り、河口部分にサーモンがたまり
ターコイズブルーの川に見事なコントラストを描いている。
ねらったポイントの上空を猛スピードで通過する。
「空撮の場合、押し寄せる状況が目の前にただひたすら展開し、
その状況に押し流されることなく冷静に状況に合わせてシャッター
を切り続けなくてはならない」
事前にもらったアドバイスをまさに痛感した。
窓を開け、逆風の中自分の全体重でカメラをとばされないようにしっかりと
カメラをホールドしながら、ズームレンズで正確にフレーミングして
マニュアルでピンを合わせる。
そして一度の通過に合わせて、フィルムの残数を考える。
撮りすぎても上空を通過し終わる前にフィルムが終わってしまう。
かといって、フィルムをセーブしていると思わず一瞬の反応に
遅れてしまい、撮り逃がす。

自分の未経験の世界が駆け抜けていったが、
結局最後まで自分の感覚とリンクできぬままだった。
初めての経験としてたくさんの収穫があった。
今回得た経験は次回への忠告として
しっかりと持ち帰りたいと思っている。
そして何より貴重なチャンスを与えてくれた
友人に感謝したい。

「飛べない豚はただの豚だ」
有名なセリフを飛行中に言おうと用意したのだけれど、
撮影中はとてもそんな余裕がなく、
また撮影後も必死にズームアップ、ズームアウトを
繰り返しながらマニュアルでピンを合わせていたおかげで
飛行機に酔ってしまい、帰着する寸前にやっと
思い出して言うのが精一杯でした。

とつぜんですが、飛んできます。

唐突ですが、突然ですが。
明日飛んできます。
空を。
ええ、頭がおかしいわけではありません。
ブッシュパイロットを目指す人と友達になりました。
話の流れでそうなりました。
今日その人と2回目にあって
飛ぶ事が先ほど決まりました。
初飛行です。
本当に飛んできます。
初空撮です。
これで、今まで自分が撮ってきたフィールドを
空から見る事が出来ます。
今年はずっと頭の片隅にあった事が、
こんな形で実現するとは。
時折ある人生のいたずらってやつかもしれません。
すごくたのしみ。

「この辺からぶわーっと上流をみたいですね。」
「このへんからね」
すごく大雑把な打ち合わせ中です。

Salmon Skeltons

いつも、食べ物の話だと突っ込まれそうなので、
たまには撮影の話を。
サーモンの撮影はもうすぐ終わり、ムースに切り替わります。
と先日書きましたが、今日はサーモンの撮影の事について。
ベニザケは川で産卵するものと、湖で産卵するものがいます。
湖で産卵したあとのサーモンは湖の底でゆっくりと腐敗し、
やがて骨だけが湖岸にうちあげられます。
去年撮影したものの、山火事の煙が空を覆っていた影響で、
まったく使い物にならず、今回はその骨の山を
再び撮影に向かいました。
湖までのトレイル(遊歩道)は一部が山火事の被害を前にうけて
森として再生している段階です。


湖の湖岸は、山火事に焼かれ、
川を旅して漂着した倒木がひしめき合っています。


漂着したサーモンの骨たち
サーモンの骨が静かに湖岸に打ち上げられ、
まるでその様子は打ちあげられた倒木たちと重なって
誰も訪れる事のない静かな墓場のようでした。

Toast it !!

アメリカの料理で、
”これは見習おう!!”
と思ったのは、
ホットドッグやサンドイッチなど
何でもパンに挟むときに、挟むパンの表面をカリッと
焼いてから挟むこと。
このカリッとした表面のパンに野菜のみずみずしい食感が
「いやーサンドイッチっておいしいなあ」
という感動をもたらしてくれる。
アメリカの一般的なパンは日本のパンとは異なって、
サイズが小さく、だいたい大人の手のひらサイズくらいで
ほとんど四角。
食感も日本と違い、日本のパンが焼くとサクッとするかわりに
中身が薄い感じなのに対して、こちらも焼いたらカリッとするものの、
焼いても焼かなくても中身の重量感はしっかりしたまま変わらない。
そこで早速、真似をしようとキャンプ用のトースターを購入!!

確かに、きつね色にこんがりと焼けるのですが、
時間かかりすぎ!
10分もしないでお湯が沸かせるストーブのフルパワーで
20分以上かかります。
これって、すごくコスト高・・・。
サックリおいしいサンドイッチは食べられたけど、
次の出番は未定です。

※あまりの加熱のしすぎにより、テーブルのSPF材の脂が熱で溶けて
にじみ出てきました。

Fall is approaching!!

いよいよやってきました!!
秋が!!
一昨日くらいから朝晩の冷え込みが厳しくなり、
朝起きると、モヤが出るようになりました。
湿地に生えている草が黄色に変わり始めました。
新聞に載っているサーモンの話題がレッドサーモンから
シルバーサーモンに変わりました。
そうです。
秋が近づいています。
もうすぐ、サーモンの撮影からムースの撮影に切り替えていきます。
この4,5日の天気予報から雨のマークが消えました。
今年のサーモンの撮影はいよいよ大詰めです。
ひとつ気を引き締めてこの1週間を大事にしてきます。

プロのお仕事

アラスカでの友達の中で一番仲のいい友達の職業は
”剥製師”

日本ではなじみのない職業だけど、
こちらではハンティングやフィッシングが一つの
スポーツ
としてみとめられている。
楽しみ方は人によって様々なんだけど、
一部の人は頭骨や毛皮をきれいに処理して、
自分のハンティングの成果の
”トロフィー”
として、家に飾る習慣がある。
友達の仕事はハンターが持ち帰った動物の
頭や毛皮をこれらのトロフィーとして加工する仕事だ。
ハンティングで動物を殺すということは
安易に反対する人もいるが、実際に動物に近づいて
殺すという事がどれほど難しく、またその経験から
本当にたくさんの事が学べたりする。
楽しみ方は人によって様々と書いた理由は、
弓一つで巨大なムースに挑み、見事に倒し、
何一つ無駄にせず、持ち帰る人もいる。
かといって、動物を倒し、頭だけトロフィーのために持ち帰り、
肉は無駄にするハンターもいる。
「命を取るのであれば、無駄にしない。」
腕の良いハンターは落ち着いた独特の雰囲気でこの言葉を口にする。
ある人はブルックス山脈でドールシープを仕留めたが、
悪天候に見舞われ、何とか頭だけは持ち帰る事が出来たが、
それでも後日もう一度、わざわざ飛行機をチャーターして
肉をとりに行った。
結局その間に肉は動物に食べられ手に入れる事は出来なかったが、
それでも自分がとった食べ物の価値というものはかけがえのないものになる。
釣った魚でも、摘んだブルーベリーでもまた同じだ。
動物の生活は食べ物を探し、殺し、食べる。
果てしないこの連鎖が複雑に絡み合っている。

焚き火道

アラスカの焚き火は簡単に火をつける事が出来る。

男にとって、焚き火をいかに難しい状況でも
簡単に火をつけて、またその火を保つ事が出来るか?
という技術は一つの誇らしい野外生活のスキルだ。
アラスカの場合は簡単に調達できる薪として、脂の多いスプルースや
成長の早いアルダー(ハンノキ)、アスペン(シラカバ)がある。
これらの木はいずれも火付きが早く、またアラスカは乾燥しているので、
だいたいにおいて、簡単に火がつけられる。
「一人でいる場合は焚き火こそ最良の友人だ」と書いた作家もいるほど、
男の一人旅において、焚き火こそ神聖なものであり、
その旅をよりストイックに磨き上げる焚き火道とも呼べる
世界がある。
と、あくまでもストイックさを誇張してみたが、
実際に生活しているときになると、焚き火は暖をとる場であり、
また調理するキッチンにもなる。
とくにこんな雨の多い気分の沈みがちな日々に、
何より温かい食事と心和やかなイベントを提供してくれる。
開催!!第1回マシュマロサンド祭り!!


焚き火で溶かしたマシュマロとチョコレートをビスケットでサンド!!
アメリカ人の焚き火のすばらしいアイデア!!
この見た目そのままの甘さが、かなりおいしい!!
第2回 焚き火フェスタ フランク祭り!!

パンを両面とターキーフランクをしっかり焼いたら、

チェダーチーズとサルサソースをのせて、

ガブリ!
ストイックな世界より、楽しいイベントでしょう。
写真?
撮りますよ、でてきてくれたらね。

曇り・曇り・cloudy

あれからずーっと曇りの日々
毎日、毎日ずーっと雨がしとしと。
毎日鮭を眺め、クマを待つ日々。
クマは毎日見かけるけど、それでも
暗かったり、遠くの道路を横切ったり。
なかなか撮らせてくれません。
サーモンのパートでは大事な1シーンになるので
もうしばらく我慢。
しかし、雨が多いなあ。


ちなみにこの日は6時間雨の中で待ちましたが、
クマは現れず、サーモンに水を引っかけられてずぶ濡れに。
機材は水浸しになって・・・・とほほ。
機材と濡れた服は車のヒーター全開で乾かしました。
あー晴れないかなあ