ポジの選別を始めました

いよいよ、今年のアラスカ撮影の集大成
現像から上がってきたポジの選別を始めました。
帰国してから、現像に出してようやく
規則的に時間がとれそうなので、ポジの選別に入ります。
玉石混合
さあ、玉が幾つ入っているかは判りませんが、
この作業が一番根気で地道な集中力が必要な作業です。
なぜなら、あくまでも中立の目線でポジを選んでいくという
作業は思ったよりも難しいのです。(僕には・・・)
不思議と何本撮っても、その撮った状況やその時、
何を考えていたかはけっこう覚えています。

「あー、この時なあ、あれをこう、うまく使おうとして狙ったのに」
「お、この時疲れてて結構適当だったのに、よく撮れてるなあ」
など、それぞれ流れに沿って、一喜一憂です。
その新鮮な感動も膨大な枚数をチェックしている内に
だんだんと、その画の露出やブレ、あるいはボケの具合など
減点法に切り替わっていきます。
写真に感動して加点法で選ぶのではなく、つまりあら探しをして
減点法で駄目なコマを振り落としていくようになると、
後で選別したコマを見直した時に
「よくは撮れているんだけど、何か足りないなあ・・・・」
という状態に陥ります。こんな時に見落とすのが、
「条件が良い時に撮れた物ではないし、フレーミングも甘いけど
 これは良いなあ・・」
と素直に感動する写真を見落としてしまいます。
写真を撮っていて、不思議なのは最低限の技術は必要であるが、
それ以上に撮影する人が感動した瞬間に、ふっとまるで何気なくシャッターを
切った時の作品にとても強い力が宿る時があります。
不思議と心を惹きつける力があるのです。
撮る時にそこにあった何かに感動して、
シャッターを切っているのだから、
選別の段階で自分の写真をみているのに伝わらないのでは、
それをこれから見る人に伝わるわけがない。
そんな事を考えながら見ていると、
撮影者にとっては審判を下されることと同じ意味を持ちます。
撮る時も感動が必要ですが、選ぶ時にもみずみずしい感性を
もって望む事が必要なのです。

柿、熟れました

日本に帰ってきて、一番の楽しみといえば、
何より新鮮なものが食べられること。
これは野菜や肉や魚に限らず何を食べても、
日本の食べ物はおいしい。
帰国直後はコンビニに入っただけで、
その品揃えの豊かさに感動する。
今日はヨメが庭にある柿の木から
新鮮な柿を取って、食卓にデザートで出してくれた。

うまい!!
うまい!うまい!!
どう逆立ちしてもアラスカではこれは食べられません。
特に柿が好きって訳ではないけれど、こんなにおいしい柿が
自分の家の庭から採れるということを考えるだけで、
とても豊かな気持ちになる。
「家の庭からとてもおいしい柿が採れるんですよ」
誰に言う訳ではないが、誰かに言ってみたい。
「あっそう」と言われそうだけれども。
自然の中から自分の食べるものを自分で取る。
もちろん、すべての自分の食べ物をまかなう事に
なった場合は、それが豊かだなどという余裕すらないほど
必死に生きていかなければならなくなるだろう。
飽食と言われる時代。
しかし、庭にある柿一つで思い出させてくれる事がある。
そのために自分の手で、自然の中から自分の食べるものを自分で取る。
あ、そうそう、もうひとつ言いたい事があるんですよ
「今年はゆずも豊作なんです」
たまりませんね・・・・

額装した絵

今回アラスカで購入した絵を額装してもらおうと
美術用品店に出していたのだが、
仕上がったとの連絡をもらったので、受け取ってきた。

この絵はWilliam D. Berryという画家が描いた
Lynxというアラスカに住むヤマネコの絵だ。
この画家を知ったきっかけは以前から僕が、
何度も読み返している
“Animals of the north “(邦題:極北の動物誌)
というタイガの森に暮らす動物たちの暮らしを描いた
動物小説の挿絵で、彼の絵を見かけた事がきっかけだった。
僕はこの本がとても好きで、何度も読み返し
将来、絶版になった時のために、もう一冊
保存用に買おうと思っているくらい好きで、
この本を読んでいる間は、まるで自分が
タイガに暮らす動物になったかのように、彼らの息づかいを
感じる事が出来た。
この絵自体はそれほど高価な物ではなかったのだが、
何よりこのシンプルで素朴なタッチこそが、
膨大な観察時間から生まれてくる芸術であることに
深い感動を覚えた。
友人の写真家にはこの絵を買った事を話し、絵を見せると
彼は「おまえは動物写真家だろう、動物の絵を買ってどうするんだ」
と僕をからかったが、
僕の目標とするところは、
画家であろうが、動物小説家であろうが、写真家であろうが、
一人のナチュラリストでありたいというところだ。
方法の違いこそあれ、自然の中にある事を
感性豊かに感じ取って、表現する。
そして、その作品が自分の生活の中で
輝きを持って存在する。
とは、言ったものの、自分の作品をあらためて
自分の家にかざっていないことに気が付いた。
まいったなあ

死の連鎖


このところ、毎日自殺のニュースがつづいている
毎日誰かが、死んでいく。
そして、その事が当たり前のように耳に飛び込んでくる
死の連鎖
毎日、新しい鎖がつながっていく

年間3万人。(こちらのデータ参照)

3万個のつながった鎖がどれだけの長さになるのだろうか?
いったい何がきっかけで死を選ぶのか本当のところは
本人しか判らないだろう。
しかし、3万人という数字を僕の頭で想像する事が出来ない。
この数字はスタジアム一つ分の人間が
丸ごと自ら命を絶っているのだ。
しかも、毎年。
これだけ物質的には恵まれていると言われている日本で、
これだけの数の人間が自分の未来に失望している。
ここまで書いたが、いったい何がこれに対しての答えになるのだろう?
「希望の火を掲げる事」
それが自分の出来る事かも知れない
まだ漠然としていて、何が出来るかも判らない
しかし、逆風にも負けず掲げ続ける事で
あるいは彼らの中の一人の顔を照らす事が出来るかも知れない

スキン変えてみました。

ちょっと時間をかけてスキンを変えてみました。
前のスキンがいまいちしっくりこなかったので、
変えたいなーと思っていました。
やはり自分の写真を使えないのも
面白くなかったので、
久しぶりにCSSとHTMLをさわりました。
結局真っ白なスキンからいろいろいじって
ここまでするのに数時間。
サイトのアドレスにちなんで、赤くしてみました。
上の写真はぼくの写真です。
これは実は他のオスにかみついているんですよ

現像開始

今回の総決算
いよいよフィルムを現像する段階になりました。
トータルの撮影フィルム
211本
その内、41本はアメリカで現像してきたので、残りの170本を今回現像します。
この現像はフィルムで撮影している中でもっとも重要な段階です。
なぜなら、一度現像するともう取り返しが付かない。
一般では写真屋さんに現像に出すとそれでお終いになるのだが、
実は現像の工程を調整する事によって、表情を変化させて全く
違う作品にする事も可能である。
しかし、元がしっかり撮れていない作品を
きちっと形にするのは不可能だし、わかりやすく言えば、
作品を自分好みのタッチに仕上げるという事になる。
そこで、全部を一度に処理するのではなく、
フィルムの種類ごとに2本ほど抜き出して
それを現像してみて最終的な判断を下します。
今日はそのサンプルをチェックに行く日。
今回の成果がもう少しで明らかになります。

帰国しました。

無事日本に帰国しました。
アンカレジ〜ソルトレイクシティ〜ロスアンジェルス〜成田
ロングフライトで飛行機に乗っている時間を合わせただけでも
19時間。

とにかく疲れた・・・・
乗り継ぎの時間には余裕を持っておいたが、
それでも必ず搭乗には走る羽目になった。
カメラ、PC、フィルムと
セキュリティチェックに時間がかかるものばかり
持ち込むので、ただでさえ混雑して時間がかかるのに
これではどうしようもない。
へろへろになりながら何とか無事帰国。
このエントリも時差ボケのままアップしてます。
とりあえず、ただいま。

ハロウィン?

10月31日が近づいてきました。
アラスカはオレンジ一色です。
そう、「ハロウィン」です。
スーパーでは巨大なオレンジ色のカボチャが売り出され、
リサイクルショップではコスチュームや
小道具が大売り出しです。

子供達がお化けなどの格好をして、家を回って
「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ〜」
とそれぞれの家からお菓子をもらう
子供にとっては楽しいイベント。

子供達もどんなコスチュームを選ぶか真剣そのもの。
でも、日本にはなじみのないイベント。
よーく冷静になってみると、


夜、ドアを開けるとこんなのが集団でねり歩いているかとおもうと
すごーく怖いんですけど・・・・・
しゃれにならん。
P.S.番外編
リサイクルショップでこんなのを見つけました。


アラスカで「長渕剛 乾杯」
(ロンブー 淳によく似てるなあ)
あなたに出会うと思わなかった・・・・

帰国間近

さて、いろんな事がありましたが、今回の旅も
終わりが近づいています。
まず、ドライバーズライセンス GET!!
やりました。
「免許はアメリカで取った方が楽」
と聞いた事があるけど、確かに内容は日本に比べれば
内容は簡単だし、道も広いので運転も楽だとは思うけどそれでも
英語の引っかけ問題を理解しなきゃならない学科試験と、
勝手の違う中であっちに行け、こっちに行けと
英語で指示されながらうろうろ運転しなければならない
実技は「本当に楽か?」と首をかしげてしまいます。
この試験のためにわざわざCamperからレンタカーに切り替えたのに
保険の書類の不備(普通レンタカーではあり得ない)や、
テールランプが点灯しない(これもあり得ない)などの
おかげで午前中の試験が見事に中止になり、
急遽友人の車を借りて午後の試験に臨み、
とにかく苦労した甲斐あって、ようやくとれました。
(やはり、しっかりしたレンタカー会社を選んだ方がいいですね)
ちなみにヨメも無事仮免をパスしました。
とりあえず、今回はここまで。
こちらの仮免は2年間の有効期限があるので、
来年、実技をパスすれば無事免許取得です。
(本免許は5年の有効期限です。)
前に友達にあげた僕の作品が無事、フレームにマウントされ、
アートショップから納品されました。

これは写真を撮っていてもっとも好きな瞬間でもあります。
自分の作品を生かすも殺すもフレームをどう合わせるか次第。
あえてマット面を大きくするためにワンサイズ大きいフレームを指定したり、
あるいはその写真にマッチングする枠をうまく選んだりと
さまざまな工夫やいろいろなやり方をやり遂げて初めて
作品を生かす事が出来ます。
スチール写真の魅力はその写真を読む事にあります。
じっと足を止めて隅々までじっくりと眺め
そこにある物を読みとって、ゆったりとその世界に浸る。
これは理想ですが、残念ながら僕の作品にはここまで至る
力は未だありません。
それでも、実際にその生き物を見た事がある人たちが
その生き物を撮った僕の写真から、何かを感じ取って足を止める
その事は何より僕にとって励みになります。

さて、のこりあと4日のアラスカライフ!
あとはこちらで追加で購入したフィルムの現像と荷造り、
そして、来年への準備で費やされるでしょう。

冬支度

例年ならきっと今の季節はもう
平地に降雪が始まっているらしい。
しかし、今年は延々と降り続く雨。
それでも確実に冬はやってくる。
今はアンカレジに滞在している
いくらキャンパーといえども都市の好きなところで
泊まっていいはずがない。
そこでキャンプグラウンドに泊まっている。
シーズンオフだが、未だに沢山のモーターホーム。
巨大なモーターホームはたいていリタイアした老夫婦が
住んでいて、家財道具や家などを売り払って
そのお金でモーターホームを買い、自分の国を旅する。
このアラスカの土地でそんな人たちとよく出会う。
季節的にはそろそろ厳しくなってくるはずだが
まさかこのまま冬を越そうとする人たちが
いるとは思わなかった。

断熱材で車の下を囲い、下からの冷えをシャットアウトし、
排水と水道を凍結しないようにきちっと断熱材を巻く。
しかし巨大なモーターホーム

普通車のように停まっている車。
これHammer<ハマー>ですけど。
たまに日本でも見る車です。(車の判らない人ごめんなさい)
ハマーへのリンク
この写真の右のバスがハマーを引っ張って移動します。
さすが京都議定書否決の国。
ガス代はこのバスを走らせると、
1ガロン(約3.78L)= 1マイル(1.6km)
さすがですね、デカイもの好きアメリカ人。
それでも今年は原油価格高騰のせいか、今までの見てきた年に比べると
やはり少ない気がする。
P.S.
今日雲間から少し日が差したので
「この隙を逃すな!!」と
自動車免許再試験の勉強のヨメを残して
トレイルを歩き撮影に出かけました。
ムースのオス3頭のグループを発見し
2時間ほどのんびり撮影していました。
天気が良くなる事に望みを託したものの、
あっという間に谷間を抜ける南風が
強くなり、やがてその突風に乗って
雨雲がやってきました。
少ないチャンスだったので何とか晴れて欲しかったが
願いむなしくポツポツと降り始めました。
それでもまだ何とかなるかもと
少し粘ったところ、撮影できないほど暗くなり、
さらに雨が風に乗って吹き付けてきます。
慌てて撤退したが、時すでに遅し。
車まで戻る間、
背中から吹き付ける雨のおかげで体の後ろ半分だけがずぶ濡れになりました。
しかし、この引き際がいつも難しい。
欲がじゃまをするワケじゃないけれど、
あと一歩をいつも期待してしまう。
確かに早くでればいつもひどい目にあわずに
済むけれど。