帰港(2)

前回、エントリを書き途中でタイムアップになってしまい、
その後、追加で書こうと思ってタイトルに(1)なんてつけたら、
そのままになってしまった。
あの川旅のその後は、3日目で大雨に降られてしまい、
4時間近く雨の中で、カヌーを漕ぐ羽目になってしまった。

「朝食を濡れながらつくる奥様」

「ピックアップ時の写真。雨でもはしゃいでいるワタクシ、雨でちょっと冷えてしまった奥様」
旅してきた川は沢山のハンターが入っているエリアだという事は
前に書いたけれど、このエリアはウィルダネスと呼ばれる
施設設備は何もなく、すべての装備を自分で持ち込んで自分の力で
野外で生活しなければならないエリアだ。
アラスカの自然の中に自分だけの力で滞在することになる
(といっても、アラスカはほとんど町から離れて自然の中に入ってしまうと
これにあてはまる。)
そんな中でもやはり身近に人の存在を感じる事がある。
それはキャンプ地に入った時に思う。

原野といえどもカヌーの旅の中ではテントをたてやすい場所に
同じようにみな泊まっていく。
そんな場所は獲物が現れるまで何日も同じ場所で待つ
ハンターにも使いやすくて
なかには手の込んだ見張り台を立ててあったりして
びっくりしたりする。
(写真にあるのはムースの角と頭骨で作ったムースを呼ぶための道具)
キャンプ地に入った時にいつも共通で目につくのは
何もない中で、どこでも必ずファイアーピットには次の人のために
火がおこしやすいように薪が用意してある

原野では何かあってもまず、何より焚き火で暖がとれるのが一番だ。
体も温まるし、料理も出来る。
人の姿の見えない原野で誰かが次の人の為に
薪をあつめてからキャンプを後にする。
そんな人の思いのつながりが
人の見えない原野で同じファイヤーピットをつかうことで
つながっている。

投稿者: WildHarmony

1978年 東京都生まれ 東洋工学専門学校(現 東京環境工科専門学校)にて、フィールドワークの基礎を学ぶ。 北海道・知床、自然トピアしれとこ管理財団(現 知床財団)に通年で2年間ガイドとして勤務。 様々な経験を積み、クマのいるフィールドで行動する技術を学ぶ。 知床のフィールドで、写真で生き物を撮す事の愉しさを知り、 自分を通して自然を写真で表現することの奥深さに触れる。 北の自然へのあこがれに従って、その後アラスカへ渡る。 アラスカの広大な土地を巡る鮭の旅に触れ、 巨大ないのちのサイクルに自分のテーマ「鮭」を見出す。 Kentaro Yasui Born in Tokyo in 1978. Learned the basic skill of fieldwork from Toyo-Kogaku special school. After graduating I worked for Shiretoko foundation in Hokkaido. and guided in Shiretoko National park for many people in two years. Because of my admiration for nature of the north, I went to Alaska to photograph its beauty and wildlife. I mentioned of expressing nature with a photograph through oneself. Currently resident in Japan.

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