今回アラスカで購入した絵を額装してもらおうと
美術用品店に出していたのだが、
仕上がったとの連絡をもらったので、受け取ってきた。
この絵はWilliam D. Berryという画家が描いた
Lynxというアラスカに住むヤマネコの絵だ。
この画家を知ったきっかけは以前から僕が、
何度も読み返している
“Animals of the north “(邦題:極北の動物誌)
というタイガの森に暮らす動物たちの暮らしを描いた
動物小説の挿絵で、彼の絵を見かけた事がきっかけだった。
僕はこの本がとても好きで、何度も読み返し
将来、絶版になった時のために、もう一冊
保存用に買おうと思っているくらい好きで、
この本を読んでいる間は、まるで自分が
タイガに暮らす動物になったかのように、彼らの息づかいを
感じる事が出来た。
この絵自体はそれほど高価な物ではなかったのだが、
何よりこのシンプルで素朴なタッチこそが、
膨大な観察時間から生まれてくる芸術であることに
深い感動を覚えた。
友人の写真家にはこの絵を買った事を話し、絵を見せると
彼は「おまえは動物写真家だろう、動物の絵を買ってどうするんだ」
と僕をからかったが、
僕の目標とするところは、
画家であろうが、動物小説家であろうが、写真家であろうが、
一人のナチュラリストでありたいというところだ。
方法の違いこそあれ、自然の中にある事を
感性豊かに感じ取って、表現する。
そして、その作品が自分の生活の中で
輝きを持って存在する。
とは、言ったものの、自分の作品をあらためて
自分の家にかざっていないことに気が付いた。
まいったなあ