何かを祝うという事


友人宅に滞在していると、
色んな文化があるんだなと感心する事がある。
今日、友達の息子に子供が生まれたからと、
お祝いを買ってきた友人。
買い物袋を見てみると、ちょっと趣味がいいとは言いづらい変な柄のベビー服と一緒に豚の貯金箱。
様子を遠くから見ていると、ガラスのボウルに貯めていたコインをひっくり返して、シルバーコインだけ次々と貯金箱に放り込んでいく。
テレビを見ていた自分の娘も呼びつけ二人でいろいろ喋りながら、次々とコインを入れていく。
なんと無く見ていてピンときたので、仲間にいれさせて貰ってコインを一緒に入れた。

コインのたくさん詰まったブタの貯金箱を新生児誕生のお祝いにあげる。
その子供の成長と富に恵まれることを祈って。きちんと、コインをシルバーのコインと銅のコインを選り分けながら。
最後にドルの紙幣を幾つか入れておしまい。
せっかくだからと、両替したばかりで新札のままの紙幣を何枚か入れました。
僕がわざわざ新札取り出してきたのを見た友人は、
「昔は二ドル札の新札でオフクロが誕生日とかにお小遣いくれたなー」
と懐かしそうに呟いていました。
なんとなく、そのつぶやきを聞きながら、昔祖母に貰ったお年玉のことを思い出していました。
人と人をつなぐ何か。祝うという事の本質、祈りは文化が異なれど同じものを持って人の間を行き来している。
そして、世代として友人と僕らの世代が失いつつあるものがある事を感じた夜でもありました。

投稿者: WildHarmony

1978年 東京都生まれ 東洋工学専門学校(現 東京環境工科専門学校)にて、フィールドワークの基礎を学ぶ。 北海道・知床、自然トピアしれとこ管理財団(現 知床財団)に通年で2年間ガイドとして勤務。 様々な経験を積み、クマのいるフィールドで行動する技術を学ぶ。 知床のフィールドで、写真で生き物を撮す事の愉しさを知り、 自分を通して自然を写真で表現することの奥深さに触れる。 北の自然へのあこがれに従って、その後アラスカへ渡る。 アラスカの広大な土地を巡る鮭の旅に触れ、 巨大ないのちのサイクルに自分のテーマ「鮭」を見出す。 Kentaro Yasui Born in Tokyo in 1978. Learned the basic skill of fieldwork from Toyo-Kogaku special school. After graduating I worked for Shiretoko foundation in Hokkaido. and guided in Shiretoko National park for many people in two years. Because of my admiration for nature of the north, I went to Alaska to photograph its beauty and wildlife. I mentioned of expressing nature with a photograph through oneself. Currently resident in Japan.

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