Yahooニュースより
  ラグビーの日本代表として歴代最多の79キャップを誇る神戸製鋼のCTB元木由記雄(38)が5日、神戸市内で引退記者会見を行い、「ラグビー人生に全く悔いはない。楽しいことばかりだった」と語った。今後はユース代表のコーチなどで人材育成に当たる。
  元木は引退の理由について「体のケアに時間を割かれた。コンスタントにいいプレーができず、若手の手本になれないことがつらかった」と説明した。ワールドカップ(W杯)に4大会連続で出場した経験を生かし、「2019年(日本開催のW杯)を成功させることに力を注ぎたい」と抱負を述べた。 
 高校時代ラグビーに夢中になっていた頃のヒーローが引退した。
 毎月の小遣いで、買っていたラグビー雑誌。
 当時大学ラグビーのスターだった彼は毎月、ラグビー雑誌のグラビアの中心で輝き続けた。
 バックスのセンターという敵の戦術と真っ向からぶつかるポジションでの彼のプレーは
 “屈強”という言葉をまさに体現していた。
 よく、ボールが似ていることからアメリカンフットボールとの違いを聞かれたけれど、
 はっきりと、「プロテクターをつけていいのはアメフト、ラグビーはなし」と答えていたこともあった
 自分の肉体を鍛え、筋肉の鎧と変えて相手と戦うラグビーにおいては
 まさに彼こそ、ラグビーの体現ともいうべき選手だった。
 秩父宮ラグビー場で見た彼の肉体は、スタンドから遠目に見ても
 ジャージーが筋肉で隆起していて、その重量感には興奮を覚えた。
 (試合の中では文字通り、相手を叩きつぶしていたけど・・・)
 未だに体の消耗の激しいラグビーをプレーできていたのは
 彼の恵まれた体による物だと思うが、当時見に行った試合で
 相手の選手にぶち当たったときにスタンドで聞いた鈍い音は
 未だに覚えている。
 いよいよ引退を決めたとなると、彼ほど日本ラグビーにおいて
 豊富な経験を持っている選手はいないことだし、とても楽しみだ。
 まるでサラリーマンのようだけれど、こんなことから自分の年齢をしるような
 実感を得るとは。
 そして、そのこととは別に
 友達のおじさんが胃がんにかかっていることを今日聞いた。
 「また、ガンか」といいたくなるほど、周りにはガンにかかった人が多い。
 父もそうだった。
 その人はぼくが子供の時からずっとお世話になっている人で、
 この前に父が亡くなったときにもいろいろと相談にのってもらった。
 一年が巡るのが早いとはよく言うようになったけれど、
 無情にも時は巡るし、世話になった人にも何も返せずに
 見送っていくばかりだ。
 悔しい。
 そうやって何人も見送ってきたが、それからだって何もできていない。
 時はめぐりゆく。
 無情とは言い得て妙な日本語だ。