さて、残り一週間となりました。
今日は友達の誕生日の祝いにカレーライスを作りました。
今年のアラスカは「とても天気が悪く」て思わず、括弧をつけて強調したくなるくらいの気分です。
あちこちが洪水で河から水が溢れ、とうとう河への立ち入りが禁止になりました。
今年は水の中をメインにしている僕にとっては、致命的に水のコンディションが一気に9月に悪化しました。
今年の天気の悪さは、雨の多さも有りますが、風も強くて。
天気が悪い、曇る、冷え込まない、黄葉しにくい、天気が悪い、風が強い、あっという間に黄葉の葉が落ちる、というのが今年のアラスカの9月でした。
なので、まさに無力。
もう少し、勝負したかったのは本音ですが、今更どうにもならないでしょう。
一生懸命準備して、いざ行くぞ!と思っても暴風雨。
いくら気持ちを盛り上げても、その都度丁寧に凹ましてくれます。
サケがジリジリと弱っていくなかで焦りながら、暴風雨。
ボディ、ボディ、アッパー。
しこたま腹を叩かれて、アゴが浮いたところにアッパー。
ボディ、アッパー、ボディ、ボディ、ボディ
アッパー。そして、アッパー。さらにアッパー。
さすがに、9月20日を過ぎた頃、強風で魚のかかった釣竿のようにしなる木を眺めながら、一週間の天気予報が全て雨マークになったのを見て、心が折れました。
そして、今日に至ります。
これで残り一週間になりました。
この一週間は、例年どおりアンカレッジの小学校での授業と様々な人に会って、来年の準備をして帰国になります。
今年の撮影は終了です。
あとは無事にトラブルなく帰国できるように慎重に行動したいと思います。
月: 2012年9月
補給
補給のために戻ってきました…
しかし、寒い。
水の中に入るテンションが上がらない。
アラスカも夜がながくなってきました。
とりあえず、今晩と明日で水と食料を補給して、
バッテリーをチャージしてガソリン入れて、
それからシャワー、洗濯。
明日で終わるかな〜
肉たべたいなー。
天気予報が雨マークだらけなのがつらいところ。
鮭の状況は予想通り上がってきましたが、
ちょっとタイミングが遅かった様子。
しかし、個体群のピークは逃した感がありますが、
それでもまだフレッシュな個体が上がってきている感じもあるので、
毎日おつきあいするしかなさそうです。
明日以降の天気予報がRainなので、また水が濁りそう。
そのあともShower続きなので、撮影が上手くいくと良いのですが…
近況 この1ヶ月
さて、ブログを書こうと入力していたら、2度も消えてしまい、
なんだかやる気がだだ滑りです。
この1ヶ月のことを大まかに書きますね〜
長くなると思います。
・飛行機での旅。
この1ヶ月、友人の動物学者に誘われ、鮭の調査キャンプで彼らのキャンプに滞在しながら
撮影していました。
夏の間は当然、アラスカ中の川に鮭が遡上しますが、遠隔地の湖や川に遡上してくる鮭の
調査のために、飛行機で物資を運びこみ数ヶ月にわたってキャンプで調査を続けます。
数カ所をそれぞれ渡り鳥のように移動しましたが、場所によって上がってくる鮭の種類も
違ったり、蚊の多さも異なったり、とそれぞれの性格のまったく場所でした。
あるキャンプではひっきりなしに蚊が襲いかかってくるため、川の中で撮影していると
水面から出ている顔に集中砲火を浴び、あっというまにでこぼこにされました。
ベアキャンプ
今回、滞在したキャンプには季節雇用のスタッフとインターンが生活しています。
通常、クマの生息地では食事と食料の保管にとても気を遣います。
クマの力で壊せないような専用の食料保管容器に保管し、調理食事もキャンプから
離れた場所で行うのが基本とされています。
しかし、今回はキャンプの周りを電気柵で囲み、保管容器は使用するものの、
食事、調理、そして保管もキャンプ地で行いました。
食料の保管については、生鮮品は地面に埋めたクーラーに氷をいれて保管。
その他の調味料などについては基本的にスライドでクマが簡単に開けられない
保管庫で保管し、ゴミは飛行機で食料の補給時に完全に持ち出していました。
そして、当然調査が終われば全ての荷物は運び出し
すごいなと思ったのは、湖で使っていたボートも飛行機にくくりつけて飛んでいきました。
撮影については細かいトラブルはたくさんありますが、
なんだか去年に機材を失ってから、あまり動じなくなってきました。
またか! とは思うけれど、結局どうにかしないと撮影は続けられない。
だいぶタフになったのかも知れません。
今まで撮れなかった環境での撮影もあり、あたらしい自分のイメージが
追いつきません。
もちろん技術的には上手くなったと思います。
しかし、誰も見たことの無い物語にしたい。
その気持ちが強く、良い写真が撮れた!と吠える瞬間がなく、
友人達には驚かれますが、自分としてはまだまだフラストレーションのたまる時間です。
水中での撮影にも慣れてきました。
そんな中で自分を驚かせたい。
感性なのか知識なのか…まだまだたどる道程ははっきりとしません。
・車のトラブル。
4週間ほど旅をしてきましたが、その間に愛車フリック号の修理をしました。
1993年 ニッサンのバンですが、そろそろ20万マイルに届きそうです。
壊れる前にと修理に出したのですが、いざ調べてみるとあちこちガタが来ていて
いろいろ考えて、飛行機旅から戻ったらすぐに他の場所に移動できるように
修理に出しておいたのですが、思ったより時間がかかり、この10日ほど町で
ぷらぷらとしていました。
細かいストーリーはありますが、
友達のスモークフィッシュで見事に食中毒にあたったり、
はじめてサーキットでカーレースをみたりとなかなか町をぶらつくのも悪くないようです。
さて、帰国まで1ヶ月をきりました。
黄葉ともう一つのベニザケの個体群の産卵が残っています。
車の修理も無事終わったので、かなり寒くはなってきましたが、
撮影に戻ろうと思います。
今日はアラスカから引っ越す友達に会って、
明日は北極圏での撮影を終えて、帰国する友人に会いに行きます。